ちょっと復活:911,あの日から数年……

Hal「ただいま〜っと」
末莉「あ,ぱぱおかえり♪」
Hal「お? こりゃ久しぶりの登場ですな」
末莉「うん。そろそろぱぱも寂しいんじゃないかなーって思ったし」
Hal「そうかいそうかい。確かにあっちの末莉ちゃんと連絡取らなくなってから一段と寂しくはなったけどな。それでも,最近はだいぶよくなったんだぞ」
末莉「ふーん。ま,ぱぱから連絡とれないんだからあきらめるしかないもんね」
Hal「それはそうなんだけどな(苦笑」
末莉「ところで,体調は大丈夫なの?」
Hal「まぁ,ぼちぼちってとこかな。よくもないし悪くもない……と思う。ま,今日は早く寝ようと思うけどな」
末莉「え〜早く寝ちゃうの? せっかくテレビで面白いのやってるのに」
Hal「面白いの?」
末莉「うん。WTC同時多発テロの特別番組やってる」
Hal「あれか……忘れちゃいけない出来事ではあるけど,あの映像ってたくさんの人たちの死に様でもあるんだよな」
末莉「……そうだよね……飛行機に乗ってた人,飛び降りてしまった人,崩壊とともに亡くなった人いっぱいだもんね」
Hal「日本に居て毎年のように映像を見てると,どうしても映画を見ているような楽しさを感じてね。そんな自分が嫌になる」
末莉「そんなに嫌がらなくてもいいんじゃない?」
Hal「どうなのかね。こういったことを許せない自分に酔ってるのもしれんし……」
末莉「ねえ,あたしがあんなふうに巻き込まれて死んじゃったらどうする?」
Hal「どうするって,そういうことは考えたくないな。もし,悲しくもならないとか言ったら末莉も嫌だろ?」
末莉「ぱぱ,あたしが死んでも悲しくないの!?」
Hal「そういう意味じゃなくてな,自分でもわからないんだ。嫌な結果が出るかもしれなくてそういったことは考えないことにしてるし」
末莉「なにそれ?」
Hal「ま,いいじゃないか。自分自身の価値観において自分自身を最低だとは思いたくない,それだけ……かな? ほらほら,番組も終わったし今日の分の999見るぞ」
末莉「うん……でもなんか納得できないなぁ」
Hal「ほらほら,今日は『化石の戦士』の前後編だ。今日のもいい話だぞ,原作の方が好みではあるけどね」
末莉「……」